冷蔵庫の正しい使い方

一般飲食店の冷機器修理割合

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昨年のセミナーのアンケートでリクエストの多かった、業務用冷蔵庫の正しい使い方についてまとめました。

一般飲食店やチェーン店に必ずある厨房機器は冷蔵庫。

食材の保管という食の安全に重要な食品機械でありながら、右のグラフにあるように、タイでは故障が一番多い機械でもあります。

日常のお手入れ

適切な日常のお手入れをすることで、冷蔵庫も長持ちします。

外装清掃

ぬるま湯を含ませたやわらかい布で表面を拭いてください。

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汚れが酷い場合は、ぬるま湯で薄めた食器用の液体洗剤をしみこませた布で拭いてください。その後、乾いた布で水分を拭き取ってください。

 たわしは使用しないでください。表面に傷がつきます。クレンザー、酸類、シンナー等は使用しないでください。電気絶縁を悪くします。水道水を直接かける清掃はしないでください。電気系統へ水がかかりますと故障します。又、本体や扉の中にあります断熱材に水が浸入し、腐食や本体劣化の原因となります。

庫内清掃

外装清掃と同様となります。

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 扉を開けている間は冷気が漏れ続けますので、素早い清掃を心がけます。 エバポレーターファンが回転している場合は、十分に気を付けて清掃をします。

扉パッキンと棚網の清掃

外装清掃と同様となります。

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 食品のカスや汁で非常に汚れやすい部分です。特に扉パッキンは非常に汚れやすい部分です。清潔にすることによりパッキンが長持ちします。

コンデンサーフィルターの清掃

コンデンサーフィルターは最低でも月1回は清掃しなければなりません。
コンデンサーフィルターは簡単に取り外せます。電源プラグを抜いて電源をOFFにした後、たわしと水で清掃します。清掃後は、乾いた布で良く拭き取り、乾かして取付してください。

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注1 コンデンサーフィルターとは、コンデンサーの汚れを防ぐフィルターです。汚れて目詰まりをしますと冷機器は空気を取り入れることが出来なくなり、機械部が無理をします。この状況になると庫内は冷えませんし、故障を誘発します。又、清潔にすることで電気代を抑えることにもつながります。

注2 タイ製冷機器にはこのコンデンサーフィルターは取付されていません。コンデンサーが剥き出しの状態となっていますので、汚れて目詰まりをしてしまい多くの故障を誘発しているというのが現状です。よって、弊社ではコンデンサーフィルターを用意し、毎月の点検でフィルター交換作業を含んでおります。

冷機器を長持ちさせるための使い方

適切な日常の使い方をすることで食品の鮮度が保たれ、冷蔵庫も長持ちします。

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① 毎日コントローラーの温度表示を確認してください。冷機器は構造上、故障してもすぐに庫内が熱く  なることはありません。異常の早期発見は、早期復旧につながります。

② 庫内の冷気の吹き出し口と吸い込み口を、食品でふさがないでください。

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③ 庫内に冷気を循環させる為に、食品を入れ過ぎないでください。冷気の通り道を作ってください。

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④ 扉を長時間開けたままにしないでください。扉はきちんと閉まっているか確認してください。

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⑤ 扉を強く閉めないでください。パッキン劣化の原因となります。冷機器の扉は、バネの力で自動で閉まるように製造されています。(タイ製品はこの機能無しの場合が多い)

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⑥ 熱い物は、十分に冷ましてから庫内に入れてください。湯気が庫内に充満しますと故障の原因となります。

⑦ 冷機器は基本的には保冷する機械です。冷蔵庫には、既に冷えている食品を入れます。冷凍庫には、既に冷凍されている食品を入れます。冷えていない食品を、冷蔵庫で冷やす。冷凍されていない食品を、冷凍庫で冷凍させる。という機械ではありません。

⑧ 酸性の強い食品やイースト菌を含んだ食品は、しっかりと密封やラップ梱包をして庫内に入れてください。 例えば、玉ねぎ等の臭いの強い食品、酢を使用した料理等がこれにあたります。臭い成分がエバポレーター(冷気を作る装置)に付着して腐敗し、故障の原因となります。

⑨ 水分の多い食品は、しっかりと密封やラップ梱包をして庫内に入れてください。例えば、汁物や新鮮な野菜、生魚等がこれにあたります。水分がエバポレーター(冷気を作る装置)に付着して氷となり、故障の原因となります。

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⑩ 冷機器の本体に水滴がつく場合がありあますが、庫内温度が保たれている場合は故障ではありません。

冷機器を長持ちさせるための設置環境

適切な設置環境に整えることで、冷蔵庫は長持ちします。

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① 冷機器機械部の給気スペースと排熱スペースを必ず取ってください。一般的に厨房で使用される冷機器は空冷式タイプとなり、空気の循環で冷気を製造する構造となります。機械部の給気と排熱のスペースが取れていないと故障の原因となります。

② 機械部周辺の温度は32℃以下に保たなければなりません。メーカーにもよりますが、大体機械部周辺の温度が32℃以上になった場合、機械部は故障します。①の適切な処置が取られていない場合、この状況になります。

③ 排水溝の上に設置は避ける。排水溝の上に設置をしますと、酸性の強い食品の汁等が流れた場合、機械部の冷媒配管に付着して腐敗を進める可能性が高く、故障の原因となります。

④ 直射日光が当たる場所への設置は避ける。

⑤ エレベーター扉や入口扉の近くへの設置は避ける。

⑥ 機械部側が熱機器と隣り合うような設置は避ける。機械部が熱機器から発せられる熱をを、吸い取ってしまい故障の原因となります。

⑦ 機械部の上部に熱機器の設置は避ける。機械部の上部に卓上タイプの熱機器の設置するのは故障の原因となります。